はじめて屋久島トレッキング(登山)をされる方へ8つのポイント

Trek Tips はじめて屋久島トレッキング(登山)をされる方へ8つのポイント

「屋久島に行ってみたいけれど、トレッキングは初めてでちょっと不安…」
「何を準備したらいいのかわからない…」
そんな声をよくいただきます。

はじめて屋久島でトレッキング(登山)を体験する方に向けて、
安心して旅を楽しむための【8つのポイント】をまとめました。

① 事前の準備

屋久島でトレッキング(登山)を楽しむために、まず大切なのは「体力づくり」です。

たとえば、人気の縄文杉日帰りコースは 往復約22km・歩行時間およそ10時間
宮之浦岳の日帰り登山になると、さらにハードで 往復約16km・10〜11時間 にも及びます。

そのため、当店「屋久島パーソナルエコツアー」では、無理のない【1泊キャンプツアー】をおすすめしています。
それでも縄文杉キャンプの場合は、約7kgのザックを背負って片道11kmを歩きますので、
ある程度の体力は欠かせません。

出発前の1ヶ月ほどは、次のようなトレーニングを習慣にしておきましょう。

  1. 一日30分以上のウォーキングを続ける
  2. 階段の上り下りを繰り返す
  3. スクワットを一日20回程度行う(やりすぎは膝に注意)

これを1ヶ月続けるだけでも、登山に必要な筋力と持久力がしっかり身につきます。
体力がつけば、歩くペースにも余裕ができ、
心にもゆとりが生まれて、屋久島の自然をじっくり楽しめます。

ガイドの話にも耳を傾ける余裕ができて、
より深く屋久島を感じられるトレッキングになりますよ。

② 気温と服装について

屋久島と聞くと「南の島だから暖かい」と思われる方も多いのですが、
実際の屋久島は南の海に浮かぶ山岳島
標高差が大きいため、場所によって気温がまったく異なります。

冬になると、山間部では2メートル以上の雪が積もることもあります。
海岸沿いと標高1,936mの宮之浦岳山頂付近では、気温差が**およそ14℃**にもなります。

たとえば、里地で25℃ある日でも、山頂付近では10℃前後。
さらに、風が1m吹くごとに体感温度は約1℃下がると言われています。

屋久島の山には、亜熱帯から冷温帯までの植物が垂直に分布しており、
登るにつれて気候も森の様子もどんどん変化します。

そのため、登山をする標高帯によって服装をしっかり調整することが大切です。
「南の島=薄着でOK」と油断せず、
重ね着(レイヤリング)を意識した服装で、快適にトレッキングを楽しみましょう。

詳しくは、季節ごとの服装のポイントをまとめた
屋久島の気温と服装をご覧ください。 

③ 屋久島トレッキング(登山)の装備・持ち物

 持ち物

キャンプツアーで必要な装備
ザック35〜40L ザックカバーも必須
レインウエア 上下に分かれていてフード付き 
ペットボトルもしくはマイボトル
朝、昼のお弁当
シュラフ 3シーズン用
 シュラフマット
 ヘッドライト
 ストック(杖)2本がおすすめ

 

日帰りエコツアーで必要な装備
ザック20〜25L ザックカバーも必須
レインウエア 上下に分かれていてフード付き
ペットボトルもしくはマイボトル
昼食のお弁当(早朝出発の場合朝食も)

詳しくはこちらのページへ

1 屋久島キャンプトレッキング(登山)で必要な装備

 

2屋久島日帰りトレッキング(登山)で必要な装備

④ 屋久島の雨対策

屋久島は「雨の島」とも呼ばれるほど、雨がとても多い場所です。
その雨の降り方はまさに圧巻で、時には「らっきょうのような雨」と表現されるほど、
大粒の雨が一気に降り出すこともあります。

1時間に40mmほどの雨が降るのは珍しいことではありません。
そのため、雨対策はしっかりと準備しておくことがとても大切です。

まずポイントは、絶対に濡らしたくないものをしっかり防水すること
具体的には、以下のようにパッキングしておくと安心です。

  • 寝袋(シュラフ) は、丈夫なビニール製のゴミ袋に入れる
  • 着替えやタオル は、大きめのジップロックに入れて空気を抜き、コンパクトにまとめる
  • ザック全体 にザックカバーをかけて雨を防ぐ

これらを徹底しておけば、突然のスコールのような雨にも対応できます。

屋久島の森は雨によって潤い、苔や木々が美しく輝きます。
しっかり準備を整えて、雨の日ならではの屋久島の魅力を安心して楽しみましょう。

 ⑤ 屋久島の登山道の歩き方

屋久島は花崗岩の巨石の島。そのため登山道では、木の根が大きく露出している箇所が多く見られます。
この根っこが、屋久島の森らしい風景をつくる一方で、足元の注意が必要なポイントでもあります。

特に下りでは、根っこに足を引っかけて転倒してしまうケースが少なくありません。
(実は私自身も、過去に転倒してケガをした経験があります…)

こうした登山道を安全に歩くためにおすすめなのが、「トレッキングポール(二本使用)」です。
上り下りのバランスを保ちやすく、足や膝への負担も軽減してくれます。

トレッキングポールの選び方

  • Iグリップタイプ(ストレート型)の方が、屋久島の山では扱いやすくおすすめです。
  • ポールの先端には必ずプロテクター(キャップ)を装着してください。
     屋久島では、先端がむき出しの金属で地面を突くことは、植生へのダメージが大きいため禁止されています。
  • ねじ込み式(回して固定するタイプ)は強く締めすぎて破損するケースもあるため、
     当店ではレバーで固定するタイプ
    をおすすめしています。

当店のレンタル品では、信頼性の高い登山用品メーカー
「ブラックダイヤモンド(Black Diamond)」製のトレッキングポールをご用意しております。

安全で快適なトレッキングを楽しむためにも、
ぜひトレッキングポールをうまく活用して、屋久島の森を安心して歩きましょう。

登りの時の歩き方 山では登りが優先です。

山では、登る人が優先というのが基本マナーです。
下る方は、登ってくる人に道を譲りましょう。

登りでは、大股ではなく小股で歩くことがポイントです。
根っこや岩が多く、歩幅が合わない場所もありますが、
できるだけ足を高く上げすぎず、小さな歩幅でリズムよく進むように意識しましょう。

縄文杉へ向かう登山道は木道が整備されていますが、
急な上りが続く場所もあります。
そんな時は、鼻から深く呼吸をして、ゆっくりとしたペースを保つことが大切です。

もし息が上がってきたら、無理せず一度立ち止まって深呼吸を。
呼吸を整えることで心も落ち着き、体の疲れも軽減されます。

屋久島のトレッキングでは、小股で、ゆっくり、一定のリズムで」歩くことが
疲れにくく、最後まで快適に歩き続けるためのコツです。

下りの時の歩き方

下りでは、必ずトレッキングポールを2本使うようにしましょう。
まずポールをしっかりと足元につき、バランスをとってから小股で一歩ずつ進むのが基本です。

屋久島の登山道は、花崗岩の岩や木の根が多く、足を引っかけやすい地形になっています。
特に下りでは重心が前にかかりやすく、根っこに足を取られて転倒するケースも少なくありません。

また、雨で濡れた木や岩は非常に滑りやすくなるため、
スピードを出さずに、一歩ずつ慎重に足場を確認しながら歩いてください。

トレッキングポールを活用しながら、
「焦らず・小さく・安定して」下ることが、安全で疲れにくい歩き方のコツです。

 ザックの持ち方

特に登りでは、ザック(リュック)の中の荷物の配置が歩きやすさに大きく影響します。

重たい荷物はできるだけザックの上部に入れるようにしましょう。
重いものを下の方に入れてしまうと、歩行中に重心が後ろに引っ張られてバランスを崩しやすくなります。

重たい荷物を上部に配置し、体をやや前傾姿勢にして歩くことで、
重心が安定し、登りもずっと楽になります。

また、肩ベルトとウエストベルトの調整もとても大切です。
ウエストベルトをしっかり締めることで、
重さが腰に分散され、肩への負担を大きく減らすことができます。

体にしっかりフィットした状態でザックを背負えば、
長時間のトレッキングでも疲れにくく、快適に歩けますよ。

足首まである登山靴がいい

トレッキングでは、特に下りのときに足首をひねることが多いです。
荷物を背負っていると重心が不安定になりやすく、
ちょっとした段差や根っこで「ぐねっ」と捻ってしまうケースも少なくありません。

そのため、足首までしっかりサポートしてくれる登山靴(ミドルカット〜ハイカット)がおすすめです。
足首の動きを適度に固定してくれるため、ねんざ予防にもなります。

また、スニーカーは通気性が良い反面、防水性がほとんどなく、長時間歩くと疲れやすいという欠点があります。
屋久島では突然の雨も多く、スニーカーではすぐに靴の中まで濡れてしまいます。

一方、登山靴は防水機能(ゴアテックスなど)が備わっているタイプを選ぶと安心です。
雨の日や沢を渡る場面でも、足をしっかり守ってくれます。

登山靴のおすすめメーカーとしては、
日本人の足型に合いやすい 「シリオ(SIRIO)」  などが人気です。
履き慣らしも忘れずに行い、出発前にフィット感をしっかり確認しておきましょう。

⑥ 縄文杉登山コースのトイレ事情

往復約22km・所要時間10時間にも及ぶ縄文杉登山コースでは、
多くの方が気にされるのが「トイレ事情」です。

まず、スタート地点の荒川登山口に公衆トイレがあります。
その後、トロッコ道を約8km歩く区間の途中にトイレが2か所設置されていますが、
それ以降の縄文杉までの区間にはトイレがありません。

そのため、登山の際は必ず携帯トイレを持参してください。
使用後は、荒川登山口に設置されている携帯トイレ回収ボックスに戻して処理します。

携帯トイレは、大小兼用タイプを2〜3個程度準備しておくと安心です。
屋久島の自然を守るためにも、ルールを守って正しく使用しましょう。

⑦ 屋久島のベストシーズン

屋久島は、春から夏にかけてが一番のハイシーズン
ただし、標高によって気温や自然の様子が大きく変わるため、
「どこへ行きたいか」「何をしたいか」によっておすすめの季節は異なります。

たとえば

  • 縄文杉キャンプ に行きたい方は、
     日が長く、行動時間をとりやすい 7〜8月 がおすすめ。
  • 白谷雲水峡 を歩きたい方は、
     森の花々が美しく咲く 4〜5月 がベストシーズン。
  • 宮之浦岳キャンプ を楽しみたい方は、
     高山植物が咲き誇る 8〜9月 が見どころです。
  • エメラルドグリーンの沢遊び をしたい方は、
     水が一番きれいで気持ちいい 8月 がぴったり。

標高や目的によって、まったく違う表情を見せる屋久島。
どの季節に訪れても、それぞれにしかない魅力があります。

季節ごとの楽しみ方など詳しくはこちら
屋久島のベストシーズンのページをご覧ください。

⑧屋久島トレッキングツアー 人気ベスト7

屋久島といえば「縄文杉」のイメージが強いですが、
実はそれだけではありません。

この島には、山・森・滝・沢・海 ―― まさに屋久島の自然がぎゅっと凝縮されています。
世界自然遺産の森を歩くだけでなく、滝の音に癒され、
澄んだ沢で遊び、原生林の生命力を全身で感じることができるのです。

そんな多彩な屋久島の魅力を満喫するために、
現地を知り尽くしたプロガイドが厳選した
 をご紹介します。

詳しくはこちら
初心者でも安心!屋久島トレッキングツアー7選|現地ガイドが徹底解説

まとめ

「楽しいトレッキング」とは、無理なく楽に歩くこと
そして「楽に歩く」とは、ゆっくり歩くことです。

心臓がドキドキしない程度のペースを保ちながら、
一定のリズムで歩くことを意識しましょう。

特に急な登りや下りでは、歩幅を小さくしてゆっくり歩くのがポイントです。
濡れた岩や根っこの上を大股で歩こうとすると、
バランスを崩してスリップや転倒の原因になります。

大きな段差のある場所では、一気に足を上げるのではなく、
周囲をよく観察して小さな段差を選ぶように歩くと安全です。
また、膝を痛めてしまった場合は、身体を進行方向に対して少し横向きにして登る・下ると、
膝への負担が軽くなり、安定して歩けます。

屋久島で安全に登山を楽しむためには、出発前の体力づくりもとても大切です。
普段から階段を使ったり、軽くスクワットをしたりして、太ももや膝まわりの筋肉を鍛えておきましょう。
(※やりすぎは膝に負担がかかるため注意が必要です)

疲労がたまると、足が上がりにくくなったり、注意力が散漫になり、ケガのリスクも高まります。

屋久島で快適に、そして安全にトレッキングを楽しむためには――
**「無理せず、ゆっくり、バランスよく」**歩くこと。
そして、日頃からの体力づくりが何より大切です。

屋久島ツアー完全ガイド・プロが選ぶ3つのおすすめプラン

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2泊3日の屋久島ツアープラン、3泊4日の屋久島ツアープランです。

詳しくはこちら
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